日本チェス協会公認審判、公認競技主任規程
                     (略称:TD規程)  1995.6.10修正

1. この規程は日本チェス協会JCAが国際チェス連盟FIDEの憲章に準拠して日本国内にチェス競技を普及し、競技会の円滑な運営を図るため、チェスの諸規約、ルール、国際標準慣習に精通し、その適用、判断に習熟した者を対象にその習熟度を適正に経歴等から差別化し、チェスの公認審判、公認競技主任等の公式資格を付与するために制定した。日本国内に於いては何人も、この規程に基づくことなく、類似の称号、肩書き等を持つこと、ならびに与えることはできない。

2.競技主任 定義と義務

1. チェス競技会を責任を持って、準備、運営、管理、表彰、始末する者を競技主任という。

1. 競技主任は、競技参加者に対局の指示をし、結果の報告をさせるディレクターである。

2. 競技主任は、自らがFIDEまたはJCAが定める競技(会)の関連の規程に準拠するだけでなく、全ての競技参加者が正しくルールとマナーを守っているかどうかを監視しなければならない。誤った参加者に対しては正しい指針を与え、従わないものに対しては、私心なく適切なペナルティーを加えることができることが競技主任に要求される最大の資質である。

3. 競技主任は競技会開催に先立って、参加予定者に競技の要項と参加申し込みの要項を発表し、公告の義務のある競技会については定められた期日までに「チェス通信」誌上掲載の手続きをとらなければならない。公式競技会(レイティング競技)を開催した場合は、終了後直ちに、対局カルテ、星取り表等をもって競技会の総合結果と個人成績のデータをJCAに報告しなければならない。また、全ての対局者に本人の対局カルテのコピーを配布しなければならない。

1. 私的な集まりにおける、プライベートな競技会を開催するとき、及び登録されたクラブ/サークル内で例会的な公式競技会(JCAレイティング競技)を開催する時の競技主任は、資格所持、登録の有無を問わない。

4. 前項の競技会等で2-1-1.2-12.2-1-3の諸義務を大過なく遂行した複数の経験を十分に持った者に対し、JCAルール委員会は記録を添えた本人の申請によりその機能と経験に応じ各種の公認競技主任(公認TDの資格交付)をJCAに推挙する。

1. 公式競技会の競技主任は、2-1-3-1.に定める場合を除き、相応の種別の公認競技主任の資格を有し、かつ有効に登録されている者が当たらねばならない。

5. 公認競技主任(公認TD)の資格登録は、3年毎に更新を要するものとし、登録の手続き方法と登録料については、別に定める。

2. チェスの棋約(THE LAWS OF CHESS)に通じ、スイス式組み合わせの概念と基本を知る者に申請により、4種公認競技主資格証を交付する。

3. 前項に加え、スイス式組み合わせに十分の経験を持ち、競技会の進行に、ルールの範囲内で柔軟な判断のできる者(JCA基幹都市クラブリーダーを2年以上経験し、規定数の競技会を開催した者、または相当する経験者)に申請により3種公認競技主任資格証を交付する。

4.

前項に加え、封じ手・開封処理、時間切迫・時間切れ処理を適正に行うことのできる者に申請により2種公認競技主任資格証を交付する。
2種公認競技主任は、時間打ちきり競技モードのとき、時間切迫に際し、一般的局面の判定バックパス状態にないか、基本的ブックドロー状態にないか、ブレイクスルーがあるかを、コンセンサスを受ける範囲で適切に判断できなければならない。四段以上の登録を予め受けていることを必要とする。

5. 前項に加え、ルール委員会が定める一定の基準以上の競技会のTDまたはTD補佐を規定回数以上経験し、競技会参加の間に起きる紛争を何時も公正適切に裁定し、ルール違反競技者に厳正な罰則を課すことのできる資質を示したものに申請により1種公認競技主任資格証を交付する。

3.審判

1. 1種競技主任のディプロマを持つ者が、JCA諸規程、特に競技(会)関連規程に通暁し、全日本選手権全国大会の競技主任を1回以上全期を通じ補佐し、ルール委員会の定めるテストをパスした者には、申請によりJCA公認審判(NA=ナショナルアービター)の資格登録免許を受けることができる。

1. 国際競技会、冠競技会、一定額以上の賞金競技会の主催は、NA以上のディプロマ所持者の中から指名される。

2. 任意の競技会に於いてNAは、その時の立場の如何に拘わらず、2種以下の競技主任が下す裁定をオーバールールすることができる。ただし予め発表された競技重要事項等に変更を与えることはできない。

3. 審判のタイトルは終身とし、更新手続きなしに、各種国内競技会の競技主任に当たることができる。

4.国際審判

1. NAのディプロマ所持者で、FIDE競技(会)関連諸規程・慣習及び・FIDEレイティング制度に通暁し、日本語の他に、英語・ロシア語・ドイツ語・スペイン語・フランス語・アラビア語のうちの一つに、チェスのルールブックが辞書なしで読め、競技中に起きると予想される事において、意志を疎通させる会話ができる程度の技能のあるもので、(英検2級程度)全国大会主審の補佐を3回以上全期間行ったことのある者は、ルール委員会の行うテストを経て、国際審判補に指定される。

1. 国際審判補はJCAの推薦により、チェスオリンピック等に、アシスタント・アービターとして、ボランティア参加できることがある。

2. 国際審判(IA=インターナショナル・アービター)はFIDEが授与するタイトルの一つで、一定基準以上の国際競技会において4回主審または副審を行った経験のある者について、加盟協会がふさわしいルール知識と審判技術を保証申請し、FIDEアービター委員会の審査を経て授与される。ただしチェス後進国に於いては「一定基準以上の国際競技会」に代わる条件を認めても良いこととされた。

1. 前項の国際競技会4回をJCAルール委員会は、JCA会員に対し、前項の国際競技会4回という要件相当として、国際競技会2回内1回はチェスオリンピックにおける、アシスタント・アービターを務めることをFIDEへの推挙の要件として読み替え、申請する。(この項はFIDEの規定により変更)
(2000.9)

3. IAの資格を得た者は、申請により七段のタイトルが授与される。

4. IAは日本国内の全ての競技会でその時の立場の如何に拘わらず、1種以下の競技主任が下す裁定をオーバールールすることができる。

6.尊厳

1. 本規程で定義された資格、タイトルの保持者は、全てのチェス競技会の模範として、FIDE及びJCAが加盟競技者規程を遵守し、職務の遂行に当たっては、客観性を失うことなく、自己の興味を犠牲にして、最善を尽くさなければならない。

2. 本規程で定義された資格、タイトルの保持者は、FIDEの定めたチェス諸法の番人として、自らの尊厳を保ち、FIDEの憲章の定める目的に矛盾することの起きないよう連帯して協力しなければならない。

7.罰則

本規程に違反したものは、関連諸規程に定める罰則の対象となる。