日本チェス協会競技者規程
                  1995.2.15制定

 1. 日本国領域内におけるチェス界の全てを代表し統括する唯一の組織として、国際チェス連盟(Federation Internationale des Eches,略称FIDE、全世界のチェス活動を統括支配する国際機関)の一構成メンバーたる日本チェス協会(略称JCA)は、FIDEの憲章の定めに従い、日本国領域内でスポーツとしての健全なチェス競技の普及、発展を図る目的を持って、財団法人日本体育協会が制定した「スポーツ憲章」の規約に従いこの規程を制定した。[スポーツ憲章=昭和61年5月7日改訂施行]

 2. この規程で言う競技者とは、JCAの傘下に属する、すなわち「日本国領域内においてチェス競技活動をする」愛好者、対局者本人はもとより、競技組織・競技団体・競技会等の役員、世話人、コーチ、トレーナー等、チェス競技に関わる全ての個人を示す。

 3. 日本国内領域内における公式のチェス競技活動に参加するもの、及び、日本国のチェス籍を持って海外の国際公式戦或いは国際オープン戦、招待棋戦に参加するものは、予め、JCAの諸規程の定めるところに基づき競技者として登録されていなければならない。

 4. チェス競技者の登録区分は次のとおりとする。

a. 執心度及び技能による区分
イ.業余愛好者(一般愛好者)
ロ.専門愛好者(棋士)
b. 職業による区分
イ.アマチュア
ロ.プロフェッショナル

 5. 予備的にチェス競技活動の経験を持ったことのないJCA会員、または、海外で直ちに国際レイティング競技会に出場することの無いJCA会員は、自動的に業余愛好者(一般愛好者)としてJCAに登録される。業余愛好者は特に定めのない限り専門愛好者(棋士)と差別されることなく
a. JCAの定める国内の公式戦
b. 国際レイティングに関わりを持たない海外及び国内の競技会
に参加できる。

1. チェスの競技者はその区分を問わず、公式競技会中、及び非公式非公認のものであっても不特定または多数の競技会期間中のチェスに係る行為についてはプライバシーの保護を受けない。(2000.12.15)

 6.

専門愛好者(棋士)は、特に定めのない限り、業余愛好者の参加できる全ての競技に参加できる。

専門愛好者は、JCAの定め(註1)に従い任意に、

a. 国際レイティングに関わりを持つ海外オープン公式競技会(JCAの選考を必要としない。)
b. 国際選手権競技会等、FIDE公式戦日本選手(JCAの選考を必要とする。) 
に参加できる。

註1: 項の国際レイティング参加棋士は事前及び事後速やかに競技会名、日時、開催都市名、成績をJCA事業部へ報告する。

 7.

専門愛好者の登録(棋士登録)は、FIDEとJCAの秩序に従い、真面目なチェスに打ち込む四段以上の被免許者は誰でも行うことができる。
前条に規定する競技会に参加するものは、予め棋士登録がなされ、棋士としての諸義務に怠りがあってはならない。棋士の登録の手続きと義務、及び罰則は別に定める。

 8. JCAまたはJCAが加盟する上位組織が特に規定するアマチュアのみを対象とする競技会に参加するためには、アマチュア競技者登録を必要とする。この登録は、FIDEとJCAの秩序に従い、真面目なチェスに打ち込むJCA会員は誰でも行うことができる。ただし、次条のアマチュア禁止事項に当該した者は、直ちに登録を取り消される。

 9. チェスのアマチュアとは、チェスの技量や名声等によって物質的利益を求めることなく、チェスの競技、研磨に熱心するものを言う。次に該当する者は、アマチュア競技者として登録できない。

イ. いずれの競技かを問わずプロ競技者(選手、或いはコーチ)として登録されている者、または活動している者。
ロ. JCAの事前了承無く、賞金または競技会参加ないし参加準備のために、物質的便益を受けた者。
ハ. 自分の写真、氏名、競技実績を広告に使うことを許したもの。ただしJCAの書面による事前了承のある場合はこの限りではない。これに伴う支払いは「スポーツ憲章」に従い、すべてJCA宛とし、直接競技者本人であってはならない。付則参照
二. JCAまたはJCAが加盟する上位組織が禁止した競技会・団体活動に参加した者。
ホ. 予めJCAへの届け出なしに、発行部数に関係なく、会報等を継続的に有償配布した者。
ヘ. 予めJCAへの届け出なしに、生徒数に関係なく、教室等を開き、継続的に有償教授した者。
ト. 予めJCAへの届け出なしに、参加者数に関係なく競技会等、集会を継続的に有償開催した者。
チ. 競技参加に際して、番外戦術で相手の思考を乱したりドーピングまたは暴力暴言行為などにより、フェアープレーの精神に明らかに違反した者。
リ. その他、一般社会人としてのエチケットに重度に背き、またはJCAの規程に違反し、純粋なアマチュアとしての本分を逸脱した者。

10. JCAまたはJCAが加盟する上位組織が特に規定する、プロのみを対象とする競技会に参加するためには、プロ競技者登録を必要とする。この登録は、FIDEとJCAの秩序に従い真面目なチェスに打ち込むJCA会員は誰でも行うことができる。ただし、次条の禁止事項に該当したものは、直ちに登録を取り消される。

11.

チェスのプロフェッショナルとは自分の持つチェスの技量や名声を基にチェス界に価値を提供することの代償に、正当な物質的対価を受けることを職業とするものを言う。従って、特にプロ棋士は、そのチェス活動において、全てのチェス愛好者の規範的存在でなければならない。

1. プロフェッショナルの登録を受けた棋士の、チェスに係る全ての行為はプライバシーの保護を受けない。
(2000.12.15)

次の各項の1つに該当するものは、プロ登録を行うことができない。

イ. 項から項までの1つに該当した者。
ロ. 招待を受けた競技会に一度参加を申し込んだ後、健康上の理由を明示する以外の事情により参加を取り消した者。または、参加の途中で同様に棄権した者。
ハ. その他、JCAの規程に違反し、或いはチェスのプロとして、チェス界の秩序を乱したり社会人としての常軌を逸脱したりした者。

12. プロ棋士は、特別の規程がある時(例チェスオリンピックゾーンなど海外選手権派遣に関する規程)には、例外なしにその適用を受ける。規程にないその他の場合は、自由に、チェスの職業活動を行うことができる。この場合、自己のチェス界におけるステイタスを誤解を与えることなくスポンサー・消費者等に示すため、特に全ての活動に当たっては、自己及び他の棋士の段位及び登録された資格を肩書きとして明称しなければならない。JCAの規程に定めのない、チェスに関連を思わせる肩書きは、スポンサー・消費者等に誤解を与えるため、JCAの書面による承認のある場合をのぞき使用してはならない。

13. 6条2項に定める競技会に参加する者は、アマチュア競技者であるかプロフェッショナル競技者であるかによって差別されないが、アマ・プロいずれかに明確に判断されるよう、自らの判断で登録されていなければならない。

14. アマチュア及びプロフェッショナル登録の手続きと義務及び罰則、アマチュアの受け取る賞金報酬の管理・ならびにプロの受け取る競技賞金の内、JCAに納入すべきTAXの比率等は別に定める。

15.

チェス競技に参加する者は、一般愛好者、棋士、アマ、プロの区別に問わず、常に相手を尊重し、自分も相手も「愛好するが故にこれを行う」の精神を守り、競技規約はもとより、倫理を守り、どの様な場合も、最後まで最善を尽くして、礼を持って終わるよう心掛けなければならない。
チェスは「ロイヤルゲーム」である。

A. 公式のチェス競技中、あるいは競技会期間中のチェスに係る行為はプライバシーの保護を受けない。(public feature)
(2001.3.1)

16. 競技者は、その区分、登録の有無に拘わらずチェス競技会に参加するとき、対戦者、役員、世話人、コーチ等のいずれの役割にあるかを問わず、その競技会がFIDEないしJCAの直接関与しない非公式のものであっても、FIDE憲章の最高原理によって枠付けされていることを理解しなければならない。また、競技者は、FIDEがその権威に於いて、競技の権利についていつでも干渉しその権威に対立する組織活動を排除する立場にあることを理解しなければならない。[1979FIDE決議・Moral principle for non-FIDE chess competition
また、競技者は、日本国領域内にあっては、その競技会がJCA直接関与しない非公式のものであっても、FIDE憲章の最高原理と、JCAの会則の定めによって枠付けされていること、JCAがその権威に於いて、競技の権利についていつでも干渉し、その権威に対立する組織活動を排除する立場にあることを理解しなければならない。

A. [FIDE憲章抜粋]
1. FIDEは、世界諸国のチェス協会を統一し、世界のチェス界の全ての分野を独占的に指摘するただ一つの国際組織である。
2. FIDEは、国籍、政治、人権、身分、宗教、性差等による差別的待遇を排除し、加盟国諸国の協会の内政には干渉しない。
3.

チェスとは、古くからの、知的で文化的ゲームの一つである。
チェスは、スポーツと、科学的思考と、芸術の諸要素とが結合したものである。従って、FIDE(およびその構成員としてのJCA)の目的は、世界に広く、チェスを普及すると同時に科学性・創造性・文化性を基盤として、チェス文化とチェス知識の水準を高めることにある。

4. FIDEは、(独占的に)チェスの諸ルールを定め世界選手権その他のFIDE公式競技会の規定を決める。FIDEは、(独占的に)チェスの諸タイトルを綬奪する。
5. FIDEは各国を代表する一つの協会を構成員(加盟協会)とする。各国加盟協会は、その国の領域内におけるすべてのチェス活動に関して、最高権威(決定権)をもつ。
(日本国に於いては、JCAが加盟協会the National Federationに相当する。)
6. 加盟協会はFIDEの憲章規約決定を承諾しFIDEの事業に国際的視野に立って協力しなければならない。

B. [JCA会則]別記

17.

一部棋士が集団を作って特権や意見を独占しようとし、或いはJCAとの交渉を排他的に有利にしようとし、あるいはJCAの正当な決定をルールに基づかず歪曲させようとする圧力をかけようとする等の不公正を防ぐため、すなわち、JCAによるチェス界における公正と目的の維持を困難にする、集団的強制圧力の弊害を事前に防ぐため、JCAによる棋士の登録を受けた者が、選手・棋士・競技者の団体を作るときは、アマチュア、プロフェッショナル、アマプロ共通いづれの場合も、JCAによる登録を受けた者が全員同一の立場で参加できるものでなくてはならない。
この場合、その棋士会等は、FIDE憲章、JCA会則等と撞着しない会則をさだめ、JCAの承認を受けなければならない。

18. JCAの承認する棋士会・競技者団体は、一登録区分について一つのみとする。ただしJCAに登録されるべき連盟、クラブ、サークル等の結成についてはそれぞれ規程によって別に定める。JCAは、前条及び本条に定める以外の棋士会・競技団体を正規の団体として認知せず、いかなる代表権、交渉権も認めない。

19. JCAまたは、JCAに直接間接関与する組織団体(正規団体)の役員は、つねに名誉と品位と絶対的公正さを重んじ、チェスのルール・慣習の熟知に務め、チェスが無規範の遊びになることを排除し、絶えず競技の規範となるよう心掛けなければならない。

20. 競技者が次のチェス競技会・イベントに参加するとき、その競技会・イベントが予めJCAによって承認されたものでなくてはならない。

イ.

賞金付競技会
ロ. 冠競技会
ハ. 海外交流イベント
二. その他JCAが規程で特定する競技会・イベント